joyful777

平凡な日常生活の戯言

もし子どもの頃に戻れたら‥

 

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“もし子どもの頃に戻れたら”

 

タイムマシンでも発明されない限り、実現不可能な願いだと分かっていても、真剣に考えてしまう時がある。

 

別に少年時代が幸せだったというわけではない。

 

学校なんて面倒で退屈だし、1円の金にもならないし、はっきり言って大嫌いだった。

 

勉強だったら自宅でもできる。

 

円周率や台形の面積の公式を知って、将来何か役に立つのか?

 

“時間と金の無駄だから” という単純な理由で、部活やクラブ活動にも一切参加していなかった。

 

貴重な放課後の時間まで、学校に居残る義理はない。

 

俺は “好き嫌い” や “損得勘定” だけで物事を考える嫌なやつだった。

 

中学2年の夏くらいからは、まともに学校にも通っていなかった。

 

家庭環境は比較的恵まれていたほうだと思う。

 

両親や兄弟が全員元気に揃っていることだけは感謝している。

 

友人関係はなんとも言えない。

 

また会いたい友達もいれば、もう2度と顔も見たくないやつ、まったく興味のないクラスメイトまで、いろんなやつがいた。

 

教師は可もなく不可もなく、“どうでもいい連中” という記憶しかない。

 

それでも、“もし子どもの頃に戻れたら”と真剣に考えてしまうのは、心のどこかで今までの人生を後悔しているからだろう‥

 

30歳を過ぎた今、これまで無駄に過ごしてきた一瞬一瞬が惜しく思えてくる。

 

「まだ若いから」

「明日頑張ればいい」

 

そんな甘い考えのまま、いつの間にか “若者” と呼べる時間は風のように過ぎ去ってしまった。

 

若さと元気だけが取り柄だと思っていた俺が、もういい歳のおっさんになりつつあるなんて不思議な気分だ。

 

もっと1日1日を大切にすればよかった。

 

もっと他人を信頼して、自分の弱さを見せてもよかったと思う。

 

この世界には毎日のように心を痛めるニュースが溢れている。

 

人間は利己的で残酷な生き物だと、俺は心のどこかで決めつけていた。

 

“他人を信用することはできない”

“世の中は嘘つきで冷酷なやつばかり” だと。

 

俺は人間が嫌いだった。

 

他人と距離を置き、深く関わらずに生きてきた。

 

おかげで誰かに騙されて痛い目に遭うこともなかった。

 

俺は “自分の大切な人たちの幸せだけ” をただひたすら願って生きてきた。

 

“大切な人たち”

“大事なもの”

“好きなもの”

“好きなこと”

 

生きていくうえで必要なのは、ただそれだけ。

 

“嫌いなやつ”

“嫌いなもの”

“興味のないもの”

 

すべて俺の人生には不必要。

 

この思考も基本的には変わっていない。

 

そのせいで俺は、いつの間にか孤独な大人になっていた。

 

自業自得かもしれない。

 

自分が他人を信用しなければ、他人からも信用されるはずがない。

 

一方で、“世の中の役に立つ人間になりたい” という想いも強く抱いてきた。

 

矛盾しているのは分かっている。

 

だけど、困っている人や立場の弱い人に寄り添える人間になりたいと思っていたことも確かだ。

 

俺は時々、自分自身の本質が分からなくなる時がある。

 

もちろん今から再出発することもできる。

 

それでも、やはり過去に戻って人生をリセットしたいと考えてしまう時が増えたのは確かだ。

 

これからは毎日を後悔しないように生きていこうと思う。